皮膚のできものに要注意!

最近ワンちゃん、ネコちゃんの体を「鼻の先〜足や尾の先まで」触ってあげていますか?
また嫌がらずに触らせてもらえますか?


前回もお話ししましたが、ゆっくりとやさしく体を触ってあげる事は、リラックス効果を与え、飼い主さんとの信頼関係をよりいっそう深める事が出来るだけでなく、体の小さな変化でもより早く見つけてあげる事が出来るのです。
隅から隅まで体を触ってると、ポコポコとしたできものが見つかる事があります。


若い子でもできものが出来る事もありますが、歳を取るに連れてその発症率は高くなっていきます。
できものには、良性腫瘍悪性腫瘍腫瘍ではないものなど様々なものがあります。また大きさもさまざまです。
よく誤解されているのですが、「小さいから良性、大きいから悪性」というわけではありません。


例1)これはわんちゃんの後ろ足に出来たできものです。約1年前から1cmほどの小さなできものがありましたが、1ヶ月程で急速に拡大し10cmほどの大きさになってしまいました。検査の結果「肥満細胞種」という悪性腫瘍でした。





例2)未避妊メスのワンちゃんには乳腺腫瘍が出来てしまう事があります。
小さなしこりでしたが、摘出してみると悪性(癌)であったこともあります。
また、小さなしこりであったため、様子をみていたことで「リンパ節転移、肺転移」し、手遅れになってしまった子もいます。


このようにできものは見た目だけでは、良性、悪性などの判断は出来ません。


そのためできものが見つかった場合は、その大きさに関わらず、まずは針吸引検査による細胞診断検査(できものを注射針で突く事で、できものの細胞を少量採取する検査)を実施します。
注射針は採血で用いられるものとほぼ同じサイズのもので、ほとんど痛がる事はありません。


※体の状態やできものの場所や種類によってはこの検査が出来ない事もあります。
※この検査だけでは十分に判断出来ない場合もあります。


この検査である程度、良性、悪性などを判断し、手術による摘出が必要であるかどうかを検討します。


「そういえば、できものがあったな。」「様子を見ていて大丈夫かな?」
こんなときは本当に安心して様子を見ていても良いものなのか、1度しっかりと調べてみて下さい。


院長